高岡の御車山を模して、宝暦年間(1751~1763)から安政年間(1854~1860)にかけて建造された花山車。
4月29日(祝)の愛宕神社の春祭りに各町内から曳き出され、小矢部市内を曳きまわされる。
主に、木組は能登・加賀の大工、彫刻は井波の彫刻師塗りは城端の塗師、金具は高岡の彫金師が製作。
曳子は、町内ごとに揃いの模様や紋をつけた法被に、股引、白足袋、ねじり鉢巻という服装で花山車を曳きまわす。
花山車の構造は、それぞれ大きさが違うが、直径1.3~1.4mの木製車輪に、幅1.5~1.6m、長さ2m、高さ60~70㎝ほどの欅材でつくった框をのせその上に斗拱出組で積み重ねた上に舞台があり、それに勾欄を設けて祭神を祀り、背後に鏡板という衝立をおく。
祭神の傍らには3mほどの木柱を立て、 30本あまりの竹に紙製の菊花をつけて笠形につりさげ、柱の上に鉾留の「だし」を取り付ける。
斗拱の上の梁や長押は、二重又は三重のものもあり、彫刻に極彩色を施したり梁や長押などに金具を打って装飾した花山車もある。
框の外側には種々の模様を染めたり刺繍を施した幔幕をつるし、框の下には花山車を曳く2本の轅棒がある。
框の中には笛・太鼓・鉦(カネ)の囃子方が入り拍子木の合図でかけ声をかけて曳きまわす。